よくあるご質問(FAQ)

よくあるご質問(FAQ)

既に,他の弁護士に訴訟委任しているが,その弁護士から相手方との和解を勧められていて,それに応じるべきかというご相談です(完全なフィクションです,念のため)。

よくあるご質問

訴訟提起した(された)のに,判決ではなく和解で解決するとはどういうこと? という方のために,和解のポイントを,Q&A形式でまとめてみました。訴訟手続開始(原告の訴状が被告に送達された時点)後の和解としては,裁判所が関与して訴訟手続の一環として行われる【1】訴訟上の和解と,裁判所を介さずに当事者のみで和解する【2】訴訟外の和解(任意和解とも言います)とがありますが,以下では,訴訟上の和解の場合を考えます。

なお,訴訟上の和解を行い,和解調書が作成されると,同調書に基づく強制執行が可能になります(訴訟外の和解の場合は,それに基づいた強制執行は,公正証書で行わない限りできません)。


Q3.和解をするとはどういうことですか?

和解とはどういうことですか?
守谷中央法律事務所(以下当事務所)
原告と被告とが互譲して,訴訟を終結させる行為です。例えば,典型的には,原告が1000万円の支払いを求めて訴訟提起したが,被告が,原告に対し,500万円の支払を約束して訴訟を終了させるような場合です。双方の主張の中間を取る,というと分かりやすいですね。
訴訟が開始しているのに,なぜ,判決ではなく和解をするのでしょうか?
当事務所
第一には,訴訟を早期に終結させることができるという点です。事案の内容次第ですが,訴訟提起から判決まで1年〜1年半くらいを要することは珍しくはないですし,複雑な事件ではさらに時間を要します。
よくあるご質問
第一審の判決に対し,敗訴当事者が控訴したら,さらに時間がかかります。上告受理の申立てが行われたら,最終決着までにどれくらい時間を要するか,分からなくなります。この間に,金銭を支払う側の当事者(被告)の信用状態が悪化する場合もあります。
私が原告代理人を務めた実際の事例でも,被告からの100万円の和解金支払の申出を拒絶して,1000万円支払の判決を得ましたが,判決後,支払を命じられた被告が破産申立てを行い,結局一銭も回収できなかったということがありました。
第二には,原告と被告との何れが勝つか,よく分からない際,相互の敗訴リスクを軽減するという観点もあると思います。100%か0%か,という場合に(0%になるリスクを考えたら)50%でいいや,といった感じです。
第三には,和解は,判決に比べたら,相手方も合意した内容での解決なので和解条項の任意の履行が期待できるということです。判決を得ても,その内容を履行してもらえない場合は,強制執行を行うことになりますが,様々な制約もあり,また,費用もかかるので,一苦労であることは否めません。
第四には,必ずしも訴状の請求内容にとらわれない,紛争の実情に応じた柔軟な解決を図ることができるという点が挙げられます(後述参照)。
和解の内容は,どのようなものになりますか?
当事務所
前述の,請求されている内容の一部のみの支払を行うという以外に,例えば,1000 万円を一括で払うのではなく,5年間の分割弁済にするとか,代わりに,1000万円の価値のある不動産の所有権を移転する,という場合があります。
請求金額に利息が付くような場合(例えば,3年前に発生した交通事故の損害賠償額が2000万円と判決で示された場合,加害者は,賠償金2000万円に利息300万円を付加して払わなければなりません)利息の支払は免除する,という内容もあります。
当事者が合意さえすればよいので,不動産の前所有者が,現所有者に対し,ある理由に基づいて,一定の金銭の支払いを請求した訴訟において,前所有者が,市場価格に比べて低廉な価額で,現所有者から当該不動産を買い戻すといった和解を行った事例もあります。
和解は,訴訟のどのような段階で行われるのですか。
当事務所
法律上は,いかなる段階でもできることになっていますが,大まかに言えば,【1】第1回期日〜第2回期日くらいの初期の段階,【2】両当事者の準備書面の応酬が終了して争点が固まり,人証調べ(当事者尋問,証人尋問)に入る前の段階,【3】人証調べが終了し,双方から最終準備書面が提出された段階,でしょうか。訴訟が進行すれば,それだけ勝ち負けが見えてくることも多いので,敗訴しそうな当事者としては,和解で解決したいという方向に働くこともあるかと思います。
当事者の合意による解決として,民事調停という制度がありますが,和解とはどこが違うのですか?
当事務所
訴訟上の和解は,原告が判決を求めて訴訟提起したが,途中から,双方の互譲によって,訴訟を終了させるものです。和解が成立しなかった場合は,当初に戻って,判決で決着がつけられることになります。これに対して,民事調停は,当初から,申立人が,裁判所(簡易裁判所が原則です)において双方で協議しようと,相手方に呼びかけるものであり,訴訟提起よりはマイルドな紛争解決方法です。
しかし,相手方が調停期日に出頭しなかったら,そもそも調停が成立しません。仮に出頭しても,相手方が(あるいは申立人も)調停案に納得しない場合,やはり調停は成立せず,どうしても紛争を解決したい場合は,訴訟提起をせざるを得なくなります。だから,相手方が協議に応じる可能性が低いと思うのであれば,調停を経ずに訴訟提起する方が時間・費用の節約になるかもしれません。
判決で解決すれば,それで済む話なのに,なぜ,わざわざ和解するのかと思いましたが,和解も合理的な紛争解決方法であることが分かりましたので,よく考えてみます。

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弁護士 相沢(茨城県弁護士所属)